ユニバーサルデザインUDに基づく学校内の掲示物や情報提供のありかたについて

掲示物や情報提供をUDにする場合の配慮は、どうあるべきか。
ある勉強会で議論された内容を、自分なりにまとめてみます。
「視覚・言語・認知」など多様な特性をもつ子どもたちに対する情報提供や掲示物のあり方に課題があります。配慮の具体例として、多言語対応、視認性の向上、視覚刺激の調整、イラストの活用、口頭情報の補完などが求められます。

なにか、追加すべき点などあれば、ご指摘願います。

 配慮するべき事項について以下、記載します。

  1. 情報の伝達方法の問題
    • 掲示物や注意書きが 日本語のみ で書かれており、多様な読み手への配慮が不十分。
    • 英語表記はあるものの、内容が不十分または誤りを含む。
    • ひらがなで表記されていないため、読みが未熟な児童(例:1年生)が理解できずに困っている事例がある。
  2. 視覚障害・色覚特性・知的障害等への配慮不足
    • 字が小さいコントラストが低いことで、視覚障害者にとって読みづらい。
    • 色覚異常のある生徒にとって、ピクトグラムなどの識別が難しい。
    • 重度の知的障害のある子どもが掲示物などを誤って口に入れてしまう事例もある。
    • 文字が読めない子どもがいることへの配慮も欠けている。
  3. 掲示物の物理的配置の問題
    • 掲示物の高さが車椅子ユーザーにとって見えにくい位置にある。
    • 掲示物が多すぎて、視覚的刺激に敏感な子どもADHD傾向のある子どもにとっては集中を妨げる要因となっている。
    • 掲示が多すぎて、足を止めてしまい、授業に遅れる子どももいる。
  4. 内容面での課題
    • 掲示物が注意書きばかりでネガティブな印象。
    • 図工展や原爆絵画展など、感情に影響を与える内容への配慮が必要(特に全員参加に無理がある場合も)。
    • 視覚認知が弱い子にとって、文字だけの掲示は負担になる。写真やイラストの活用が求められる。
    • 中学生になると、提出物の案内が口頭のみになることがあり、聞き漏らしなどで情報を得られないケースがある。
    • 「道具がある」という掲示があっても、使い方の説明がない
  5. 外国籍生徒への配慮
    • 言語や文化的背景の異なる子どもへの情報提供や掲示内容の工夫も必要。

など


  • 自分研究(子どもの当事者研究)って何?

〜どうやって取り組むの?〜


◆ 自分研究とは

発達障害など、特別な支援が必要な子どもたちが、
自分の「困っていること」や「苦手なこと」を、先生や小児科医など支援者と一緒に研究し、対策を考える取り組みです。

困りごとへの対策だけでなく、
「自分の好きなこと・得意なこと」を見つけながら成長していくことを目指します。


◆ 3つのフェーズで進めます


① 導入期

〜安心して話せるようになるまで〜

  • 支援者は、安心・安全な場を作ります。
  • 信頼関係を築き、子どもの話を丁寧に聴きます。
  • 子どもが、できれば、「話すって楽しい」と思えることが大切です。

👉 この時点で「自分研究」が終わってもOK!
大切なのは、支援者が子どもの実態を把握することです。


② 分析・実験期

〜困りごとに向き合い、工夫する〜

  • 「困っていること」をキャラクター化(外在化)し、「自分」と切り離します。
    例:イライラくん、ドキドキさん
  • 困りごとが「いつ」「どこで」「どうあらわれるか」を整理。
  • 支援者と一緒に、できる工夫を考えます。

👉 解決策が見つからなくても、周りに理解してもらうことが第一歩です。


③ アウトプット期

〜自分に合った方法で人に伝える〜

  • 発表・絵・動画など、自分らしい方法で伝えます。
  • 認めてもらう経験が、自信や次のチャレンジにつながります。

◆ 「自分研究」で、大切にしたいこと

🟦 「自らやる」気持ちが大切
子ども自身が「やってみよう」と思えることが、第一歩。

🟩 支援者との「共同研究」
一人で頑張るのではなく、信頼できる人と一緒に進めるのがポイントです。

やり方は一人ひとり違います。十人十色。


◆ 参考書籍

『特別な支援が必要な子たちの「自分研究」のススメ』
熊谷普一郎 監修、森村美和子 著
(金子書房)

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世田谷区の障害相談支援のための『計画相談マニュアル』


障害相談支援のため、非常に参考になるマニュアルです。

こちらでも、共有します。
→ https://www.city.setagaya.lg.jp/03655/2904.html#p1

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医療的ケア児の支援体制充実に向けた検討状況


 自立支援協議会の一部会で、「医療的ケア児等支援連携部会」が構成されており、医療的ケア児の支援体制の充実が検討されています。
 保育園・幼稚園、小中学校、高校大学での安心安全な受け入れ態勢が進んでいくことを、期待しています。
 直近の課題として、以下、第5回自立支援協議会(2025.7.8開催)の場で、同部会から示されています。

https://www.city.chuo.lg.jp/documents/15512/ziritu4siryou2-4.pdf

・医療的ケアの正確な数の把握をすること
 対応策;把握機能の向上

・看護師不足、医療的ケア児の支援経験のある職員が限定的→受け入れる現場での不安感
 対応策;医療現場での豊富な経験を持つ医師による研修会や講演会等を継続開催。

・医療的ケア児コーディネーターの多くが資格取得はするが、実際の実務の経験を有する職員は少ない。
 対応策;区内の医療的ケア児コーディネーターの役割、配置について明確化。

・体制整備に向けては、関係機関での情報共有や連携が必須であるが、保育園、小学校等での連携がまだ十分と
は言えない。
 対応策;地域で必要な支援が受けられるよう医療、保健、福祉、教育等の連携体制をさらに充実させる。

以上




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テーマ:「まねっと防災」チェックシート、ぜひ、ご活用を。

防災対策の勉強会で知りました。
非常によい取り組みだと思います。

皆様、ぜひ、「まねっと防災」チェックシートをご活用し、災害に備えてください。
どのように避難するかは、近くの防災区民組織や消防団員に相談してみて下さい。

ご相談先、ご不明な場合、お問い合わせください。

防災ご相談、お問い合わせ先:
電話03-5547-1191(小坂クリニック内小坂和輝)
メール kosakakazuki@gmail.com

大森自治体行政学 東京大学金井利之先生によるご講演

『大森自治体行政学と特別区』と題した東京大学金井利之先生によるご講演を、2025.7.24に拝聴しました。
一昨年ご逝去された大森彌先生を追悼しての4回シリーズの講演会の最終回でした。

大森先生の人となりが彷彿とされるご講演の中、地方自治への大切なヒントをいただいた貴重な機会となりました。

大事な点は、ひとことでいうと、住民の中に入り、その文化までを肌身で感じ、それを職場内で議論して政策を作りあげ(臨床医モデル)、実践し、評価をするのが、自治体職員であり、そのモチベーションを高めるのが首長の責務であるということと、私は理解しました。
首長やその政策は、大事であるが、住民に根差したものであることが大前提であります。

●レジュメの構成のみ抜粋:

大森自治行政学と特別区

2025年7月24日
東京都特別区協議会
事務局総務課調査研究係

東京都千代田区一ツ橋2-6-3 一ツ橋ビル7階
電話 03-5213-0452


大森自治行政学と特別区

1.はじめに~個人的追想~

2. 「教師」

3. 「職業人」

(1)職業倫理
①精神修養

②「〇〇抜く」


(2)プロフェッショナリズム
①アメリカ行政学輸入研究

②プロフェッション論

③地域プロフェッション

(3)日本型地域プロフェッションの創出運動
①地域と文化

②リーダー養成

4. 日本型地域プロフェッショナルへ向けた地域人

(1)住民

(2)職員

(3)首長・管理職

5. おわりに

(1)町村主義者?

(2)人口問題

(3)特区制度改革

(4)「器」の改革への批判

以上

中央区の若者の課題について

2025.7.25、「「若い世代の生きにくさをどう支えるか」をテーマに、医療関係者で議論致しました。
私も、一演者として、問題提起を以下、させていただきました。


議論において、難しいと考えた点を記載します。

●18歳で、支援のメニューが、減ってしまうこと。
 教育委員会、子ども家庭支援センターの対象年齢からはずれる。

●相談したい親の相談できる相談先が、ない。

●区内の人数が、統計上どれだけかがわからないことがある。

●連携をとれる顔の見える関係づくり。

子どもから若者まで、支援できる体制づくりを引き続き、考えていきたいと思います。


マンション防災講習会、ーカイブ視聴できます!

●『始めよう。マンション防災~これから始める災害対策~』

●『管理会社が管理組合と共に取り組むマンション防災』

https://www.city.chuo.lg.jp/a0011/bousaianzen/bousai/bousaitaisaku/kousoujuutaku/manshonbousaikousyuukai.htm
l中央区主催の講習会、動画のアーカイブです。(ご視聴一つは、2025年8月31日まで。もう一つは同9月30日まで。)マンション居住の皆様、ぜひ、ご覧ください。そして、備えて下さい。

何か、備えるにあたって、疑問点など、ございましたら、お気軽にお声がけください。一緒に考えさせてください。
メール:小坂宛てkosakakazuki@gmail.com

所管課におかれましては、貴重なご講演を、一回だけに終わらせず、広く観られるようにご努力いただき、感謝申し上げます。


『令和6年度 区立小・中学校における不登校の状況について』

2025.7.9中央区教育委員会7月の定例会において、非常に重要な報告が出されました。

『令和6年度 区立小・中学校における不登校の状況について』

●令和6年度 中央区における不登校児童生徒数と出現率(令和5年度)
小学校102人1.09%(107人1.22%)
中学校113人6.19%(116人6.80%)

不登校という状況、その中には、学校に行かないことを選択している子、ホームスクーリングを行っている子含め様々だと思います。

大事なのは、その子が、充実した学びの時間を持てることだと考えます。 ひとり一人に、その子の可能性が伸ばせる、好きが見出せる、充実した学びの時間となることを願っています。一緒に考えて行きたいです。

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『自己決定で安楽死、尊厳死を選択するということ』

オランダ、ベルギー、スイスなど安楽死が認められる国もあります。
イギリス、フランスでも安楽死の法制化が国会で議論され、法制化される可能性もあります。

ジャーナリスト浅川澄一氏の安楽死に関するご講演を拝聴する機会がありました。

●安楽死:回復の見込みのない病気の患者が医師により薬物などを服用し、死を選択すること

●尊厳死:患者の意思によって延命治療を行わない、または中止すること

*セデーション(終末期鎮静):痛みを取る緩和

現在、尊厳死は、日本で認められていますが、安楽死は、認められていません。
欧米では、厳格な条件で、安楽死が、なされています。

●オランダの安楽死の6要件
①安楽死の要請は、自発的で熟慮された
②苦痛は耐えがたく治癒の見込みがない
③医師は病状や見込みについて十分に情報を与えた
④医師と患者が共に他の解決策がないと結論づけた
⑤別の医師と相談し、その医師が面談して要件を満たしていると判断した
⑥医師は十分な医療上の配慮を行い患者を絶命させた

*オランダでは「自発的な生命の終結協会(NVVE)」が主導している

●横浜地裁の「安楽死」4条件(東海大学病院事件判例1995年)
①耐え難い肉体的苦痛がある
②市が避けられず、死期が迫っている
③苦痛を取り除く手段を尽くし、他に方法がない
④生命の短縮を承諾する患者の明確な意思表示
(適用されたことはない)

本日は、大変勉強させていただきました。
医師として、生ききることをささえねばと思ってきましたが、安楽死の考え方も、理解する貴重な機会となりました。

今後のあるべき議論は、どのようにしていけばよいのだろうか。
かつて、2019年11月30日京都ALS患者林優里さん「安楽死」事件における裁判では、「安楽死」の観点からの議論は、十分につくされなかったとのことです。(2025年6月最高裁上告棄却で確定、医師に嘱託殺人、懲役18年)
医師、文化人類学者、法学者、宗教家などで、議論の場が、まずは、できないだろうか。
ただし、死生観は、欧米と東洋は大きく異なってもいます。
根源的なところから、十分に議論をしていく必要性があると考えます。

*参考文献
『安楽死で死なせて下さい』橋田壽賀子、文春新書
『高瀬舟』森鴎外、大正5年
NHKスペシャル『彼女は安楽死を選んだ』2019.6.2
ノンフィクション『エンド・オブ・ライフ』佐々涼子

『文藝春秋』2017年3月号 「安楽死は是か非か」アンケート
「安楽死に賛成」の著名人33人を抜粋
浅利 慶太  大林 宣彦  角川 歴彦
金子 兜太  岸田 秀  久坂部 羊
倉本 聰  呉 智英  小林 亞聖
三枝 成彰  澤地 久枝  妹尾 河童
筒井 康隆  橋本 治  水木 楊
無着 成恭  山川 静夫  山田 太一
湯川 れい子  丹羽 宇一郎 野口 悠紀雄

「なぜ、安楽死に賛成か」(文藝春秋アンケート)
●大林宣彦 死こそは当人の自由であるべきです。死こそは自身の「表現の自由」の最後の砦だと信じるから・・・
● 呉 智英 母を91歳で亡くしました。この1年間は、激痛と不安に苦しみ、見ているこちらもやりきれませんでした 死にたい、殺してくれ、と言われるたびに、安楽死が可能ならそうしてやりたいと思いました。
●小林亞聖 自分があくまで自分である権利を守るため
●野口悠紀雄 死の選択も、個人の自由のうちに含まれる
●澤地久枝 生まれることは選べなくても、死ぬときは、自分らしくと思います。

以上