自己決定で安楽死、尊厳死を選択するということ

『自己決定で安楽死、尊厳死を選択するということ』

オランダ、ベルギー、スイスなど安楽死が認められる国もあります。
イギリス、フランスでも安楽死の法制化が国会で議論され、法制化される可能性もあります。

ジャーナリスト浅川澄一氏の安楽死に関するご講演を拝聴する機会がありました。

●安楽死:回復の見込みのない病気の患者が医師により薬物などを服用し、死を選択すること

●尊厳死:患者の意思によって延命治療を行わない、または中止すること

*セデーション(終末期鎮静):痛みを取る緩和

現在、尊厳死は、日本で認められていますが、安楽死は、認められていません。
欧米では、厳格な条件で、安楽死が、なされています。

●オランダの安楽死の6要件
①安楽死の要請は、自発的で熟慮された
②苦痛は耐えがたく治癒の見込みがない
③医師は病状や見込みについて十分に情報を与えた
④医師と患者が共に他の解決策がないと結論づけた
⑤別の医師と相談し、その医師が面談して要件を満たしていると判断した
⑥医師は十分な医療上の配慮を行い患者を絶命させた

*オランダでは「自発的な生命の終結協会(NVVE)」が主導している

●横浜地裁の「安楽死」4条件(東海大学病院事件判例1995年)
①耐え難い肉体的苦痛がある
②市が避けられず、死期が迫っている
③苦痛を取り除く手段を尽くし、他に方法がない
④生命の短縮を承諾する患者の明確な意思表示
(適用されたことはない)

本日は、大変勉強させていただきました。
医師として、生ききることをささえねばと思ってきましたが、安楽死の考え方も、理解する貴重な機会となりました。

今後のあるべき議論は、どのようにしていけばよいのだろうか。
かつて、2019年11月30日京都ALS患者林優里さん「安楽死」事件における裁判では、「安楽死」の観点からの議論は、十分につくされなかったとのことです。(2025年6月最高裁上告棄却で確定、医師に嘱託殺人、懲役18年)
医師、文化人類学者、法学者、宗教家などで、議論の場が、まずは、できないだろうか。
ただし、死生観は、欧米と東洋は大きく異なってもいます。
根源的なところから、十分に議論をしていく必要性があると考えます。

*参考文献
『安楽死で死なせて下さい』橋田壽賀子、文春新書
『高瀬舟』森鴎外、大正5年
NHKスペシャル『彼女は安楽死を選んだ』2019.6.2
ノンフィクション『エンド・オブ・ライフ』佐々涼子

『文藝春秋』2017年3月号 「安楽死は是か非か」アンケート
「安楽死に賛成」の著名人33人を抜粋
浅利 慶太  大林 宣彦  角川 歴彦
金子 兜太  岸田 秀  久坂部 羊
倉本 聰  呉 智英  小林 亞聖
三枝 成彰  澤地 久枝  妹尾 河童
筒井 康隆  橋本 治  水木 楊
無着 成恭  山川 静夫  山田 太一
湯川 れい子  丹羽 宇一郎 野口 悠紀雄

「なぜ、安楽死に賛成か」(文藝春秋アンケート)
●大林宣彦 死こそは当人の自由であるべきです。死こそは自身の「表現の自由」の最後の砦だと信じるから・・・
● 呉 智英 母を91歳で亡くしました。この1年間は、激痛と不安に苦しみ、見ているこちらもやりきれませんでした 死にたい、殺してくれ、と言われるたびに、安楽死が可能ならそうしてやりたいと思いました。
●小林亞聖 自分があくまで自分である権利を守るため
●野口悠紀雄 死の選択も、個人の自由のうちに含まれる
●澤地久枝 生まれることは選べなくても、死ぬときは、自分らしくと思います。

以上