「発達保障論」と「共生教育論」の融和
「発達保障論」と「共生教育論」の融和
誰もが、一緒に学ぶ。
その際に、最も大事な視点は、「発達保障論」と「共生教育論」の融和。(大谷先生は、融和という言葉を選ばれました。まさに、この融和であるべきと私も心から同感です。)
一見して、平行線のようにも見えるこの二つが、融合できると、希望を、本書『分離はやっぱり差別だよ。』大谷恭子著は、与えてくれています。
その交わりの本質は、本書でも何度も引用される障害者権利条約24条第2項各号a-eで、わかりやすく述べられています。
*発達保障論;障がい児には特別支援で発達を保障すべきであるという立場。
*共生教育論;共に学び共に育つ中で成長するべきであるという立場。
*障害者権利条約 第24条(教育)第2項
締約国は、教育に関して、障害者が以下のことを保障されることを確保する。
(a) 障害者が、他の者と平等に、すべての段階及び形態の教育制度への障害のないアクセスを保障されること(初等教育、中等教育、高等教育、職業訓練及び生涯学習を含む)。
(b) 障害者が、居住する地域において、インクルーシブで、質が高く、無償の初等教育及び中等教育を他の者と平等に受けることができること。
(c) 合理的配慮が、個々のニーズに応じて提供されること。
(d) 障害者が、教育上必要とされる個別の支援を、可能な限り一般的な教育制度において効果的に受けることができること。
(e) 障害者が、教育の中で、個人の自立及び人的潜在力の開発、尊厳、自信の感覚の発達、及び人権、基本的自由並びに人間の多様性の尊重の精神を育むような支援を受けることができること。